教室の付加(無料)サービスとして、集中できる(清潔な)学習空間の

　提供、無料自習やテスト対策、補講対応、担当講師、ご家庭への

　通塾成果のフィードバック、生徒面談や保護者面談、学習計画や

　報告書の作成等、様々なものがあります。

　

　

　付加サービスを強化することで既存客のロイヤリティーを高め、

　退塾防止や市場評価の形成、口コミの醸成を図ることは間違い

　ではないですし、それが塾の基本的な考え方でもあるでしょう。

　

　

　しかし・・・

　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　■「なんでもかんでも無料対応することの弊害(リスク)」

　−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　

　・・・上記も考えていかないと、塾自体の収益圧迫につながり

　かねないのではないでしょうか。

　

　

　有料商品と無料サービスの線引きを区別しないと、無料サービスで

　満足した顧客は、その後有料商品への提案をしても買わない

　でしょう。

　そもそも無料で満足しているのですから、わざわざお金を出して

　まで商品を追加購入しようとは思わないからです。

　

　

　最初は無料であっても、どうやって有料商品の購入へ結びつける

　か、そうした顧客提案のアプローチ戦術が曖昧だと、ずっと無料で

　対応し続けないといけなくなるでしょう。最悪、収益を圧迫する

　まで無料対応しなければいけなくなります。

　

　

　

　

　───────────────────────────────

　■「ゴールを明確にする」

　───────────────────────────────

　

　学習塾は教育業界に属しますが、ボランティアではありません。

　ですから、どこかのタイミングで収益につながらないと

　いけません。

　

　

　いまは無料対応をしている顧客に対して、焦って有料商品の

　追加購入を提案することのないように、とても難しいのですが、

　塾長はそのタイミングを見定めることが大切です。

　

　

　または次年度をゴール期日にして、有料パックのコースを新たに

　設ける、今ある有料パックコースの中身を精査したり修正したり

　する等、そうした対応を考えても良いと思います。

　

　

　なかには、地域特性によっては、最初から有料商品ばかりの提案

　では単なる営業と思われてしまい、自塾を敬遠されるというところ

　もあると思います。

　

　

　ですから、全顧客と言わなくとも「どの顧客を」「いつまでに」

　「どうやって」「何の」有料商品購入へつなげていくのか、

　そうした顧客対応のアプローチ戦術が必要になるのです。

　

　

　そして有料商品を追加で購入された顧客に対しては、それ以上の

　価値があると思ってもらえるようにヒイキ対応をしても良いと

　思いますし、何よりも結果を出すことが条件になります。

　(当然のことながら、他顧客にエコヒイキが分からないように

　注意する必要はあります。)

　

　

　

　

　───────────────────────────────

　■「線引きをしっかりする」

　───────────────────────────────

　

　無料対応ばかりしてしまう塾に多いのは、本来は有料商品の対応の

　質であり量であるにも関わらず、それと同等の対応をしてしまう

　ことです。

　特に「教育者的視点」の強すぎる人(塾ですから教育者的視点が

　高いのは当たり前)は、その傾向があります。

　

　

　顧客のためと思っているとしても、教育者的視点に偏りすぎる

　ことのないように、経営者的視点とのバランスを持つことが大事

　です。

　ですから、まずは「どこまでが無料サービスでできること」なのか

　といった線引きを決めることが大事ですし、そのための『縛り』

　を設けることも重要になります。

　

　

　あとは顧客へ伝えるタイミングとその方法が鍵になります。

　これを間違えると、顧客不満を誘発しかねませんので、

　注意します。

　人は基本的に今あるものが変わることを嫌いますので・・・。

　
　

　その線引きや縛りが明確になったとしても、実は一番の弊害は

　教室スタッフであったりします。人によってはついつい教えすぎて

　しまう、そんなスタッフもいるでしょう。

　

　

　「教室スタッフの意識改革」「線引き・縛りの共有と徹底」が、

　実は最もエネルギーと時間をさくことになるのかもしれません。

　

　

　

　

　教室の付加サービスとして、様々な無料対応をすることは間違い

　ではありません。

　しかし、「この無料対応はその先の収益につながるのかどうか」、

　「まだ先のことだが、無料対応のコストを回収できるのか」を

　考えることが大事です。

　

　

　または思い切って「額ではなく数である」等、はっきり方向性を

　明示するのであれば、ある意味で無料対応を極めるのだって良い

　と思っています。

　

　

　それぞれの地域特性、業績など、自塾の置かれている状況を

　考えて、最終的な方向性を決めていって頂きたいと思います。

　

　

　

　

　・・・さて、今号では以下のポイントをお伝えしました。

　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

　■「なんでもかんでも無料対応することの弊害(リスク)を考える」

　■「どこかのタイミングで収益につながらないといけない」

　■「どこまでが無料サービスでできることか、線引きを決める」

　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

　

　

　今号のポイントが、あなたの塾の教室運営や学習塾経営の一助に

　なるようでしたら、これ以上嬉しいことはありません。

　

　

　

　■HPトップへ戻る　　　　■ブログトップへ戻る